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4月16日(木)

引っ越してきたときから、部屋の鍵のスペアを作ろうと思っていたのに、ずっと忘れていた。

思い立ったが吉日ということで、早速、近くのスーパーの鍵作成コーナーへと向かった。

どこにでもある極めて一般的なディスクシリンダー錠である。

そこには、典型的な職人かたぎ風の50歳ぐらいの男性がいて、私よりほんの先に来た女性客の腕時計のボタン電池の入れ替えをやり始めたので、しばらくそれを眺めていた。

それが終わって客が帰ったので、いよいよ私の番だと、声をかけてもらうのを待っていた。

しかし、その職人さんは何やら郵便物を眺めたり、そこから書類を取り出したりして、一向に私のほうは見向きもしない。

もしかしたら急ぎの仕事を片付けようとしているのではないか、と思ってさらに待っていたのだが、気づく兆しはない。

私も痺れを切らして、「お願いしてよろしいですか?」と遠慮しながら尋ねた。

「はい」と返事して私のほうを向いたので、持ってきた鍵を差し出して「スペアキーを作ってください」と蚊の鳴くような声で頼んだ。

商売人なら、いや普通なら、「失礼しました」の一言があってしかるべきだが、必要な用件以外は口にしないようである。

ずっと先ほどから女性客の横で、今か今かと待っていたことには、まさか気がつかなかったはずはない。

仕事さえちゃんとやればいい、というものではなかろう。

作業にとりかかってほどなく、そのキーを片手に職人さんが私のほうに語りかけた。

「元のキーが曲がっているので、その複製を作っても精度が出ないから、動作は保証できません」
と言うのである。

なるほど、言われてしげしげと見詰めると、私の毎日使っているキーは、わずかではあるが曲がっている。

運を頼りに作ってもらってもいいかなと思ったが、この人の対応が心地よくなかったので、ラッキーとばかりに断ることにした。

速効、別の店に行ってお願いしたところ、やはり同じことを指摘され、「使えなくでも返金はできませんが・・・」と言われた。

しかし、根拠は全くなかったのだが、ここなら問題なく仕上げてくれそうな気がしたので保証対象ではないことを承知で作ってもらった。

実際に試してみると、今、使っているキーと何ら変わらず、円滑に働いてくれるのである。

実はそれぞれの店で、値段が違っている。

最初の職人さんのところは700円、次にお願いしたまともな客対応をする店では400円と、ほぼ倍近い開きがあったのである。

値段の違いが逆であれば、考えようによっては納得も行くが、高いは態度は悪いはとなれば話にならない。

そういった意味では、最初のお店が私に合わなくて良かった、ということになる。

ご先祖様のお導きがあったのだろうか。

それにしても、値段の違いもさることながら、一般消費者を対象にした商売の店で、ああいった接し方をしていてもお店がやっていけるのだから、日本は恵まれた国だと、ヘンなところで感心した(汗)。



20200416a.jpg

スペアを頼んだら身分証明書を求められる店もあるらしい
 
20 : 20 : 00 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
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コメント
こんばんは♪

ちょっと気分を害することになりましたが、
結果オーライでよかったですね。
by: きっちゃん♪ * 2020/04/16 22:04 * URL [ 編集] | page top↑
きっちゃん♪へ
おはようございます。
 
本当に「結果オーライ」となったことを感謝しています。
それに、こんな人もいるのだということを知り、いい経験ができたのですから、儲けものかもしれません。
by: 声なき声 * 2020/04/17 02:06 * URL [ 編集] | page top↑
おはようございます
偏った職人気質のスペアキー屋さんに当たってしまいましたね。
それでも 元のキーの曲がりを指摘して
正しく使えなかった場合 その腕が疑われるのが
嫌だったのかも知れませんし、
お客様に迷惑がかかるのも困ると思ったのかも知れませんね。
その辺も 頑固一徹の職人さんなのか 単に偏屈なのか(汗)

鍵の元の値段プラス技術料でしょうから
個々に 値段が違ったのかも知れません。
それでも 結果が良かったので ここに頼まなくて正解でした。

スペアを作って貰うのに 身分証明書を求められるのは
防犯上の事です。
夫が住んでる家の鍵は スペアキー屋さんでは作れないです。
メーカーに頼んで作って貰わないと出来ません。
夫は2個無くして 3回目は鍵本体を変えないとならないと
言われましたので 必死で探しました。
簡単にスペアを作れると こっそり作って侵入出来てしまうからです。

我が家もそうですが 鍵を受け取る時に
ナンバーの書かれた紙を貰って
そのナンバーが分からないとやはり鍵本体の交換になります。
そのナンバーを管理している人だけが スペアを作れる事になります。
防犯的には しっかりしている現代です。
by: ヨンヨン * 2020/04/17 05:25 * URL [ 編集] | page top↑
ヨンヨンさんへ
おはようございます。

客相手の商売よりも、自分の技術を活かせる仕事にこそ、関心を持っている人なのだと感じました。
会社の中でも、技術畑一本で働いてきた経歴の人には、よくあるタイプです。
そういう人は、商談で趣味や世間の出来事の話題を持ち出すことは、ほぼありません。
ただ仕事の品質については究極を極めようとがむしゃらになります。
いい仕事をするのですが、もう少しバランスをとってほしいと思います。
 
最近は、たまたま写真に写った鍵をもとにスペアキーを作ってしまう犯罪も起こっているようです。
そこまで行かなくても、不用意にスペアキーをたくさん作り過ぎると、それが悪意を持った人間に手に渡って侵入に使われることも少なくないと、聞いています。
娘の住んでいるマンションも防犯を強く意識して設計されたのか、複製のできない鍵になっています。
確かに、手持ちの鍵を紛失してしまうと、新たに作成しないといけませんので、これは一大事となりますね。
 
私のマンションでは、入居のときに前住人から受け取りました。
番号管理は全くしいておりません。
本鍵本体に刻印された番号どおりの一覧表とセットにしておけば、理想的な管理ができるに違いありません。
by: 声なき声 * 2020/04/17 05:42 * URL [ 編集] | page top↑
今時は音声や指紋で開くドアもありますけど、いまどきの画素数高いカメラのせいで画像解析とかあるしどこか不安な感じですかね。鍵よりはいいかな、って思ってたんですけど。
スペアキーってそんなに数売れないし、
職人風な対応になるのも自然なのかな。
by: てかと * 2020/04/17 11:55 * URL [ 編集] | page top↑
てかとさんへ
先進的なマンションであれば、セキュリティ管理が厳しいですので、部屋のキーもスペアを作ることのできないシステムにしてあります。
事業所などでは、まさに顔認識や指紋認証で入場を認めているところもあるほどです。
当マンションのように、築47年となりますと、昭和のテイストたっぷりのキーが使われているのが現実です(汗)。
 
なるほど、数も売れませんし、利益率も大したことはありません。
しかし、記事で取り上げた2軒目の店などは、笑顔たっぷり愛想よく応対してくれました。
その職人さんの人生観というか価値観の違いなのかもしれません。
by: 声なき声 * 2020/04/17 14:03 * URL [ 編集] | page top↑

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Author:声なき声

昭和27年に生まれ、平成29年に職業生活をリタイヤ。 現在、北摂のマンションに在住。   

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