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6月6日(木)

マンション修繕工事の一環で、各部屋の扉の塗装工事の順番が私のところにも回ってきた。

事前連絡はもちろん入っていた。

今週月曜日の晩に、マンションのエントランスの掲示板に部屋番号別に工事日が書かれた書類が貼りだされ、あわせて入居者それぞれの郵便受けに連絡表が投函されるという、至れり尽くせりぶりである。

私の部屋には今朝の9時15分に作業者が来て、「これから塗装に入らせていただきます」と丁寧に声をかけられた。

その後、1時間ほどしてから別の作業者の人が来て、「仕上げをいたします」とのことで、ほんの5分ほど仕事をされていた。

そして、「完全に乾くまでは扉は開けたままにしておいてください。約2時間ほどです。」と言い置いて、事実上、すべての作業は終わったこととなる。

感じたことは、最近の職人さんは言葉づかいも接し方も丁重になってきた、ということ。

私の子供の頃と言えば、頑固一徹がにじみ出たような難しい顔をして、気に入らなければ口もきかないという職人さんがいた。

手に職をつければあんなふうに威張っていられるのかなと、子供心に思ったものだ。

近年は、昔ながらの職人かたぎのというのは、伝説の中のお話になったのかして、ほとんど聞かない。

思うに、昔は技能や技術を独占することができたのに、昨今は、学校や通信教育、インターネットなど、さまざまな場面で誰でも学ぶことが可能になった、という環境変化があるのではないか。

技術を持っている人に頭を下げて頼まなくても、その気にさえなれば自分で勉強することができる。

師匠の値打ちが下がったのは、否定できないと思う。

私が学校を出て就職した最初の会社では、「仕事は盗んで覚えろ」などと指導を受けたことを覚えている。

わずかの例外を別にすれば、上司や先輩から仕事を教わることはあまりなかった。

一般的な知識レベルのことであっても、質問しても教えていただけないのには困った。

親切な先輩にこっそりと尋ねるか、あるいは、同行営業に出たときに、車の運転をしながらそれとなく問うてみるしかなかったのである。

今のようにインターネットで検索して調べるなんて手法は、当時は夢にも想像できなかった時代なのだ。

門外不出の情報が簡単に入手できるようになった現代、世の中で自分だけしか知識も経験も持っていないという職人さんは希少となった。

むしろ、顧客対応がきちんとできて、後輩の指導や育成にも熱心な職人さんであることが求められる時代になっていると感じる。

「情報共有化」の言葉は、職人さんのありようまでをも変えてしまったようだ。


20190606.jpg
仕上がってみると思いのほかきれいであった

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20 : 20 : 04 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
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コメント
こんばんは♪

そうですね~
今はこんなことまで!?
ということまでネットで分かります。
by: きっちゃん♪ * 2019/06/06 22:33 * URL [ 編集] | page top↑
きっちゃん♪へ
おはようございます。

基礎的な知識のレベルであれば、ほとんどのことはネットで調べることができます。
ときには、コンビニコーヒーの買い方まで事細かに解説されているサイトがありました(汗)。
店員さんに訊けばわかることだと思うのですが。
by: 声なき声 * 2019/06/07 04:39 * URL [ 編集] | page top↑
おはようございます
改修工事も最終段階まで来ましたね。
始まった頃を考えると 先長く感じましたが
後少しの辛抱です。

玄関ドアーの色は、おとぎ話のお家のようで
楽しそうに見えます(*^。^*)

お隣の家は、黄色で そのお隣は ピンクで
また そのお隣は 緑で・・・(笑)
そうなら楽しそうです

確かに 最近は何でも調べられる時代ですが
やり方が分かったからと言って、
上手に出来る事はないでしょう。
経験を積んで コツを掴んで 
出来るようになって行くものだと思います。
そう言う意味では、ちょっとしたコツを教えて貰える師匠の値打ちは 
大きいのではないでしょうか。

あまりにも簡単に
一般的な知識レベルの事を知る事が出来るので
雑学ばかり知っている 頭でっかちの
偽評論家が増えていると思います(^^ゞ

そんな意味では、
経験に裏打ちされた職人かたぎは
大切だと思います。

お料理にしても
ブロ友さんが、色々な方法を書いていられて
試してみたいと思われるのでしょうけど
中々上手くいかないと思います。
もし、隣に来て、教えて頂けたら
そんな風にするんだ!と分かる事もあると思います。

ドアの塗装も ネットで調べたのではなく
師匠のやり方を見て覚えたので
こんなに綺麗な出来上がりになったのだと思います。

私が塗ったら 縞々模様でしょうね(笑)
by: ヨンヨン * 2019/06/07 05:30 * URL [ 編集] | page top↑
ヨンヨンさんへ
おはようございます。

マンションの外壁工事はほとんど全棟が終わったようです。
遠くから眺めると、以前のくすんだ色目とは打って変わって白が光っているようで、素人目にも美しくなったことを実感いたします。

扉の色は全戸共通で、濃紺となっています。
扉の外部分は共用部に当たりますので、住民が自分の好きな色を選ぶことはできません。
それこそ、童話の世界になってしまいますので(笑)。

個人レベルで語学を覚える、園芸の勉強をする、料理を身につけるという場合は、コツの部分まで教えてくれる師匠の存在はある意味必須だと思います。
ただ、会社の仕事で師匠と弟子の関係を持ち込むと、得てして師匠というのは教えたがらない傾向があります。
それを知っているのが自分だけというのであれば、それだけ会社の中での自分の存在価値が出てくるのですから。
この風潮がはびこると、技術力の継承が難しくなってくると思います。

技術力をひたすら高めていこうという前向きな「職人かたぎ」は歓迎すべきですが、自分の知っていることを誰にも教えないという悪しき部分はなくなってほしいと思っています。

ほかの部屋での塗装作業を見ていますと、単に塗っているだけのようにしか私には見えませんが、刷毛のムラもありませんし、塗り重ねで濃くなっていることもありません。
私には100年かかることと思います(汗)。
by: 声なき声 * 2019/06/07 05:52 * URL [ 編集] | page top↑
梅雨入りして雨が降っているときにドア塗装だとつらかったかもしれませんね。
ドア開けたままだと塗料の臭いがやばかったかと。関西の天気がわかりませんが関東だと昨日までは降ってなかったし運がよいのでは。
むしろ今日は寒くてドア開けてはいられない。
あとペンキ塗りはどうかわからんのですが、いまどきの職人は和室とか作れないとか聞きます。
職人がいらなくなったというか、優れた和室が作れる宮大工みたいな一流職人がすくなくなったというか。
サイコロみたいな一戸建てとかには、そういう高い技量は一切不要で誰でもマニュアル通りに作れる簡素さ、利便性とか合理性を追求していった結果なんでしょうなぁ。高い建築技術が必要なのはお寺とか神社とか金持ちの集う和風の料亭とか、顧客を選ぶ形ではじめて登場するのか俺たち庶民の前には量産職人が相手をするような流れなのかもしれないな、と。
だから技術は盗めの世界というのはまだあると思うんですが、俺たちの前にはでてこなくなった、というのが近いのかも、とすこし思いました。
by: てかと * 2019/06/07 13:18 * URL [ 編集] | page top↑
てかとさんへ
昨日は、当地でも絵に描いたような晴天でした。
最高気温は30度近くまで達しましたので、まさしく塗装にはうってつけの天候であったと思います。
塗装が終わってからも2時間ほどはドアをオープンにしたままで、完全乾燥を図りました。
昨今は水溶性タイプの塗料が普及してきたせいか、匂いはさほど気になりませんでした。

聞いた話ですが、著名なメーカーが手がけている戸建て住宅も、テンプレートがあってそれに忠実に従っていけば、誰がやってもほぼ同じ品質のものが出来上がるそうです。
考えようによっては、建築技術の指導を適切に行えば、特に秀でた職人でなくても作ることができることの証ではないでしょうか。
もちろん、社寺の建築や特別な仕様の部屋となると、言葉では伝達できない側面があるとは思いますが。

知識や経験の未熟な人が、「技術は盗め」の心がけを持って積極的に覚えていこうという姿勢は、私も大切だと考えています。
ただ、上の人が自分のノウハウの出し惜しみをしてその言葉を使っている場面が多かったのではないか、というのが実際の思いです。
by: 声なき声 * 2019/06/07 14:07 * URL [ 編集] | page top↑

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昭和27年に生まれ、平成29年に職業生活をリタイヤ。 現在、北摂のマンションに在住。   

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